どうも最近は議員別に切り分けてくれないようですね。以下のリンクの1時間36分あたりからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=BebAdMJUvZc
以下、最初に要約、次に文字起こしの全文を示します。
戸部かおる議員(日本共産党) 質問テーマ:有害鳥獣被害対策の現状と強化策について
要約
質問の背景と趣旨
日本共産党勝浦支部が今年1月から実施している市政アンケートでは、寄せられた市民要望の第2位に「有害鳥獣被害対策の強化」が挙がった。アンケートには、キョンによる農作物被害、イノシシによるタケノコの食害、マダニによる人身被害、そしてキョンとの車両接触事故など、切実な声が多数寄せられた。
戸部議員自身も、家庭菜園での収穫ゼロ体験や、国道297号線(白井久保バス停付近)でキョンと衝突しバンパー・ラジエーターを破損した経験を持つ。こうした実情をふまえ、農作物被害・ダニによる人体被害・交通事故(いわゆるロードキル的被害)の三点を軸に、市の有害鳥獣被害対策の現状と課題を質した。
主な質疑と答弁のポイント
捕獲数・苦情頭数の現状 令和7年度の捕獲苦情頭数は全体で5,694頭(カラス37羽含む)。勝浦市鳥獣被害防止計画の捕獲計画数9,240頭に対する達成率は61.6%にとどまる。過去5年間(令和3〜7年度)の推移は4,168〜5,762頭の範囲で推移しており、ほぼ横ばい傾向。一方で目撃情報は増加しており、実態の個体数はさらに増えているとみられる。
農作物被害額 令和7年度の農作物被害額は1,330万7,000円で、被害作物は稲が最多。被害軽減目標額(401,000円)の約3.3倍に達しており、目標を大きく上回る深刻な状況にある。
捕獲従事者数 令和7年度の有害鳥獣捕獲証明書交付人数は58名(令和2年度:52名)で、5年間で6名増加。しかし計画の達成には現状の捕獲水準を大幅に超える必要があり、さらなる人材確保が求められている。
鳥獣被害対策実施隊 市の実施隊は農林水産課の職員6名(課長・農林係長・農林係員)で構成されており、追い払い活動・侵入防止柵の適正管理指導・生息状況把握などを担っている。民間隊員の任命実績はなく、今後の検討課題となっている。
ジビエ利活用 市内のジビエ処理施設は民間施設1カ所のみ。過去に新規参入の相談もあったが現在はなく、今後は民間等の力を活用した方策を検討するとした。
サルへの新規対策 近年目撃情報が急増しているサルについては、勝浦市独自の調査としてGPS発信機装着・頭数カウント調査を実施中。今後は個体群管理を行う予定で、近隣市町とも連携していく方針。
「有害獣が近寄らない集落づくり」 農地・集落と山林の間に緩衝帯を整備し、野生動物の生息域と人の生活環境との間に見通しのよい距離を確保することで出没を抑制する取り組み。令和7年度から開始し、市内7地区で実施済み。
戸部議員の4つの要望
- 捕獲従事者の大幅増員 — 地域おこし協力隊制度の活用を強く求める
- 対策予算の大幅拡充 — GPS追跡・電気柵・箱わな等、種別に応じた対策には予算が不可欠
- ダニ等による人的被害防止 — 獣道への接近を避けるよう市民への注意喚起が必要
- ロードキル対策の強化 — 国交省も動き出した動向を踏まえ、市独自の路上衝突防止策の検討を
文字起こし
議長: 次に、戸部かおる議員の登壇を許します。戸部かおる議員。
戸部かおる議員: 日本共産党の戸部かおるです。これより登壇しての一般質問を行います。
ご承知のとおり、物価の高騰が続いております。今月も来月も製品の値上げが予定されていると報道されております。実質賃金や年金は上がらず、物価だけが毎月のように、毎年のように高騰する。これでは市民生活はいくらやりくりしても限界があるのではないでしょうか。引き続き物価高騰対策の充実を願わずにはいられません。
さて、本日は対策の強化を求める立場から、本市の鳥獣被害対策に絞って質問いたします。
日本共産党勝浦支部は、今年1月から「勝浦市政に対してどのようなことを要望したいですか」という市政アンケートに取り組んでおります。まだ取り組みの途中ではありますが、強い要望の第2位として「鳥獣被害対策の強化」が上ってまいりました。しかも、アンケートには要望の理由まで記載されていました。そのいくつかをご紹介したいと思います。
「キョンが多くて困っている。キョンを駆除してほしい。」
「キョンが庭先まで入ってきて、育てていた葉物を食べるし、糞を落とすので本当に困ったものだ。イノシシも増えている。竹林のタケノコは収穫前に掘り起こされてしまった。最近、空き家が多くなり有害獣が出入りしている。夜には鳴き声が近くで聞こえて不安な気持ちになる。何とかしてほしい。」
「網や防護柵を設置したいが、費用の負担が大きすぎる。」
「去年の秋、家族がマダニに噛まれ高熱を出して大変心配をした。ハンターを増やしてイノシシやキョン、シカなどを駆除してほしい。」
「キョンが突然に方向を変えて車の前を横切り、衝突してバンパーを破損した。」
市民の皆さんの生々しい声と要望です。しかも1人や2人ではなく、何人もの方から同じような要望が出されてまいりました。
私自身の経験を申し上げますと、この数ヶ月——春の2月・3月頃のことですが——我が家の近くに、地元の地主さんからお借りした家庭菜園を細々とやっております。そこにもキョンが現れ、毎年のようにせっかく育てた葉物が食べられ、その年は収穫がなかったということを繰り返しております。
もう一つ、先ほどのバンパー破損の市民の方の体験と同じことを私自身もいたしました。4年ほど前に、国道297号線の白井久保バス停付近で、車の前に突然大きなキョンが現れ、横切ろうとしました。私は急ブレーキをかけましたが間に合わず、バンパーとラジエーターが壊れ、修理工場のお世話になりました。降りてあたりを見ましたが、キョンの姿はどこにもありませんでした。
こういうことから、農作物の被害防止はもちろんのこと、獣が運ぶダニによる人体への被害防止、そして(いわば)交通事故対策など、有害鳥獣対策の強化はまったなしの状況です。
そこで市長にお尋ねいたします。第一点は、本市の鳥獣被害対策の現状をどのように捉えておられるのでしょうか。第二点は、課題があるとすれば、その打開策についてのお考えをお聞かせください。以上、述べまして、登壇での質問といたします。よろしくお願いいたします。
議長: 市長から答弁を求めます。照川市長。
照川市長: ただいまの戸部議員の一般質問にお答えします。
はじめに、鳥獣被害対策の現状についてですが、有害鳥獣の駆除は農作物被害の削減を目的として実施しており、令和7年度においては駆除総数が5,000頭を超えておりますが、完全駆除には至っておりません。今後も地元猟友会と連携し、有害鳥獣の駆除に努めてまいります。
次に課題とその打開策についてですが、本市においても猟友会の高齢化や人材不足は課題となっておりますが、狩猟免許取得時の費用補助などの各種施策を実施することにより、人材確保に努めております。
また、ここ数年で目撃情報等が急増しているサル対策につきましては、現在、勝浦市独自の調査としてGPS発信機装着および頭数カウント調査を実施しており、今後、個体群管理を行う予定です。今後も新たな駆除方法を取り入れながら近隣市町との連携を図り、より効果的な有害鳥獣駆除を行ってまいります。以上で、戸部議員の一般質問に対する答弁を終わります。
議長: 他に質問はありませんか。戸部議員。
戸部かおる議員: 市長、ご答弁ありがとうございました。サル対策については新しい取り組みを行うとのこと。大きな成果に結びつきますようよろしくお願いいたします。では、具体的な内容についてこれから質問させていただきます。
まず最初に、2025年度(令和7年度)の捕獲苦情頭数——罠猟・網猟、あるいは鳥獣による苦情等の令和7年度分——を教えていただきたいと思います。また、勝浦市鳥獣被害防止計画にある令和7年度の捕獲計画数に対する達成率もお伺いしたいと思います。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。令和7年度(2025年度)の捕獲苦情頭数につきましては、全体で5,694頭でございました。勝浦市鳥獣被害防止計画の令和7年度の捕獲計画数が9,240頭ですので、達成率としては61.6%ということになります。以上です。
戸部かおる議員: 念のためにお尋ねしますが、この5,694頭の中にカラスも入っているかと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。先ほど申し上げました全体5,694頭のうち、カラス37羽が含まれております。以上です。
戸部かおる議員: ありがとうございました。農林水産課が発表しているデータをパソコンで調べますと、カラスは平均50羽前後という数字になろうかと思います。そうすると、この総数にはサル・シカ・イノシシ・キョン・タヌキ・ハクビシン・アライグマなどが総計されているというふうに理解したいと思います。
私がパソコンで調べましたところ、令和3年度(2021年度)は5,196頭、令和4年度は4,168頭と若干減り、令和5年度は5,762頭、令和6年度は4,549頭と再び減りました。令和7年度は昨年度よりも増えたことが先ほどの答弁で分かりました。
この5年間での捕獲苦情頭数はだいたい4,000〜5,000頭台となっており、平均を出しますと5,070頭(カラス含む)という計算になりました。年ごとに増減はありますが、ほぼ横ばい状態というのがこの5年間の実態だろうと思います。しかし、目撃情報が増えているということは、実態はこの数よりもさらに有害鳥獣が増え続けているのではないかと思います。
そこで次の質問に移ります。被害の状況について、どのような被害が発生しているのでしょうか。できれば時期や被害作物など教えてください。また、被害金額はどのぐらいになっていますか。昨年度の結果で結構ですのでお願いします。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: 申し上げます。令和7年度で申し上げますと、被害作物は稲が最も多くなっているところでございます。被害額につきましては全体で1,330万7,000円と把握しております。以上です。
戸部かおる議員: ありがとうございました。1年間で1,300万円を超えるという被害額には驚きました。米作り農家の年収の数件分に当たるのではないかと勝手な推測もしたところです。いずれにしましても大変な被害額だということが分かりました。
では次に行きます。勝浦市鳥獣被害防止計画にある被害軽減目標について、被害額に対する昨年度(令和7年度)の達成率をお伺いします。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えいたします。被害軽減目標額は401,000円でございますが、実際の被害額が先ほど申し上げました1,330万7,000円となっておりますので、非常に残念ながら目標額を大きく超える被害が出てしまっているという状況でございます。以上です。
戸部かおる議員: 答弁いただいた数字から整理しますと、実際の被害額は軽減目標の3.3倍強であるということ。そして最初の質問の答弁と合わせて考察いたしますと、毎年5,100頭強の捕獲では被害額は年々増加することになるのではないでしょうか。この被害額からも、思い切った対策に踏み出すことが早急に求められていると思います。
次の質問に移ります。捕獲従事者の高齢化ということが言われております。2025年度(令和7年度)の捕獲従事者数および5年前との比較での増減を教えてください。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。勝浦市有害鳥獣捕獲証明書の交付人数で比較させていただきます。令和7年度が58名、令和2年度が52名ですので、会員の入れ替わりはあるものの、若干ではありますが全体としては増加しているところでございます。以上です。
戸部かおる議員: 5年間で6名の増加、大変ありがたいことだと思います。しかし、有害鳥獣による被害削減には、先ほどの質問でも明らかになりましたように、年5,100頭強を大幅に超える捕獲がどうしても今必要だと思うわけです。さらなる捕獲従事者の確保が求められていると思います。
次の質問に移ります。勝浦市鳥獣被害防止計画によりますと、平成30年(2018年)4月に「鳥獣被害対策実施隊」というものを設置したとあります。その後、現在に至るまでの実施隊の活動概要および民間隊員の確保状況を質問いたします。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。勝浦市鳥獣被害対策実施隊につきましては、市の職員で構成されており、農林水産課長・農林係長・農林係員の計6名で構成されているところでございます。活動内容といたしましては、追い払い活動および侵入防止柵の適正管理に係る指導または助言、対象鳥獣の生息状況および被害発生時期の把握等となっております。民間隊員の任命につきましては、これまで任命した隊員はおりませんが、引き続き検討してまいります。以上です。
戸部かおる議員: 課長をはじめ職員の皆さんのご苦労には本当に頭が下がります。感謝を申し上げます。しかし、職員だけの実施隊では限界があるのではないでしょうか。こういう時こそ、地域おこし協力隊の制度を活用して人材を確保することも必要ではないかと思いますので、強く要望しておきたいと思います。
次の質問に行きます。勝浦市鳥獣被害防止計画には、イノシシ・シカについては「市内処理施設および今後建設が予定される施設の活用により食肉としての販売を行う等の展開を図る」と明記されています。処理施設は市内に現在何カ所あるのでしょうか、お尋ねいたします。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。現在、ジビエに関する施設につきましては、民間施設が1カ所ございます。過去に新たな出店の相談もございましたが、現在はそういった相談もなくなってしまいました。今後は別の民間等の力を活用した方策も検討したいと考えているところでございます。以上です。
戸部かおる議員: ぜひ、拡充の方向で検討していただきたいと思っております。
次の質問ですが、同じく市の鳥獣被害防止計画には、今後の被害防止に関する取り組みの一つとして「有害獣が近寄らない集落づくりを目指す」とされています。この「有害獣が近づかない集落づくり」とは、どのような集落をイメージされているか、教えていただきたいと思います。
議長: 答弁を求めます。木見塚農林水産課長。
木見塚農林水産課長: お答えします。有害鳥獣が近づかない集落づくりにつきましては、現在「鳥獣被害防止総合対策事業」で進めている緩衝帯整備がイメージしやすいと考えております。ここでいう緩衝帯整備とは、農地や集落と山林の間に空間的な緩衝帯を作り、野生動物が常に生息する山林と、人が耕作や生活をする環境との間に見通しの良い十分な距離を確保することで、動物の出没を抑え、農作物被害や突発的な人身被害が起こりにくい環境にしようというものでございます。言い方を変えれば、有害鳥獣が近寄らない集落づくりと近しいものであると考えているところでございます。この事業につきましては令和7年度から実施したもので、令和7年度には7地区においてご協力をいただき事業を実施したところでございます。以上です。
戸部かおる議員: ご丁寧なご答弁ありがとうございました。最後に4点ほど、要望を申し述べておきたいと思います。
本日これまでの質問や答弁から、捕獲苦情頭数は5,000頭余りで横ばい状態にある一方で目撃情報は増えていること、しかも被害総額は昨年1,300万円を超えていることが明らかになりました。
第1は、やはり捕獲従事者の人員を大幅に増やす必要があるということです。先ほども申し上げましたが、地域おこし協力隊制度を活用するなどをぜひ検討していただきたいと思います。
第2は、対策予算の大幅な拡大が必要です。新技術のGPSを使ったサルの動向・頭数調査は有効な手立てだと考えます。成果を期待しております。同時に、昨日も同僚議員からありましたように、野生動物の種類によって電気柵が有効か、高さのある柵の方が有効か、緩衝帯の方が有効か、箱わなが有効かなど、対策方法が異なります。いずれにしましても予算がかかる事業ですので、ぜひ予算の拡大をお願いしたいと思います。
第3は、ダニなどによる人的被害防止の視点を持つことが必要で、その対策を急がなければなりません。獣が通る道はほぼ決まっている——いわゆる獣道と言われるものですが——そういう場所には近づかないよう、市民への注意喚起も必要ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
第4は、キョンやイノシシなどによる(いわば)交通事故についてです。国土交通省もロードキルを防ぐ対策強化に乗り出したという新聞報道を目にいたしました。本市でも路上での衝突を何とかして防ぐ対策が必要ではないかと思います。私の友人もイノシシとぶつかって急ブレーキが間に合わず、車が大破して新車半分の値段の修理費がかかったと聞いております。ぜひよろしくお願いを申し上げます。
以上、要望を4点申し上げまして、私の一般質問をこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長: これをもって戸部かおる議員の一般質問を終わります。
